「ＲＩＳＥ」（２１日、横浜ＢＵＮＴＡＩ）

　メインで行われたＩＳＫＡ・Ｋ－１ルール世界ストロー級（５１・５キロ）王座決定戦で、現プロボクサーの那須川天心を兄に持つＲＩＳＥフライ級王者の那須川龍心（１９）＝ＴＥＡＭ　ＴＥＰＰＥＮ＝が、ＩＳＫＡ世界フェザー級王者ハマダ・アズマニ（２４）＝モロッコ＝に３－０で判定勝ちした。自身１１連勝を飾り、初の世界王座を獲得した。

　ビッグマッチ初のメインイベンターを務めた１９歳がついに世界タイトルを手にした。龍心は初回からプレッシャーを掛けて主導権を握り、左フックやボディーなどを効果的に当てて圧倒。最終３回も強烈なローキックを効かせるなど付け入る隙を与えず、フルマークで判定勝ちした。

　ただ、ベルトを手にした龍心に笑顔はなく、リング上でのインタビューでは「今回メインイベントをやることになって、ＫＯしてやろう、見せてやろうという気持ちが強くて、空回りしてしまって、すいませんでした」と反省しきり。「スカっとＫＯ勝ちして上の５３キロ（スーパーフライ級）のランカーたちに宣戦布告してやろうと思ったが、まだまだなので、またイチから強くなって帰ってきます。次の大会から階級を上げます。ＲＩＳＥの５１・５キロのベルトは返上して、５３キロのベルトを狙う。上位ランカーに勝てるように、これから必死に練習してまた強くなって帰ってきます」と誓った。

　龍心は昨年５戦５勝（３ＫＯ）と破竹の勢いを見せ、ＲＩＳＥの年間ＭＶＰも獲得。これまでは“天心の弟”として注目を浴びてきたが「選手として評価を得られたことがうれしい」と実感を込めた。今年３月２９日の両国国技館大会では、かつて天心が判定勝ちした難敵クマンドーイ・ペッティンディーアカデミー（タイ）から３度ダウンを奪い、２回ＴＫＯ勝ち。自身４連続ＫＯを飾り、リング上でのインタビューでは男泣きしながら「みんなにめちゃくちゃ（下馬評で）負けると言われたが、絶対勝とうと思って、マジで見返してやりたかった。これで本当に俺のことをなめる奴は誰もいないと思う」と感慨を込めた。

　◆那須川龍心（なすかわ・りゅうじん）２００６年５月１６日、千葉県松戸市出身。兄は“キックの神童”で現プロボクサーの那須川天心（２６）。幼少期から空手、キックボクシングを始め、アマチュア大会に出場。２２年４月にＲＩＳＥでプロデビューした。２４年１１月にＲＩＳＥフライ級王座を奪取。２３年大みそかにはＲＩＺＩＮに初参戦し、ＭＭＡ初挑戦で２会ＴＫＯ勝ちした。プロキック戦績は１５戦１３勝（６ＫＯ）２敗。１６４センチ。